パルモディア錠投与により、LDL-Cが上昇することがあるようですが、その理由を教えてください。
LDL-Cのベースライン値の低い患者では、パルモディア錠の投与によりLDL-Cが増加する可能性がありますが、これはフィブラート系薬剤のクラスエフェクトと考えられます1,2)。
フィブラート系薬剤は、脂肪酸のβ酸化促進等によるVLDLの産生低下作用と、リポ蛋白リパーゼの活性亢進等によるVLDLからLDLへの異化促進作用(small dense LDLが減り、LDLを大型化する)を有することが知られており、これらはいずれもPPARα活性化に基づくクラスエフェクトと考えられています。また、LDL-Cに対する効果は、投与される患者の脂質フェノタイプによって異なることが知られています。つまり、LDLの相対的な割合の高いフェノタイプ(IIa型およびIIb型)では、VLDLの異化促進よりもVLDL産生低下の寄与が大きく、LDL-Cが低下する一方、VLDLの相対的な割合の高いフェノタイプ(Ⅳ型及びV型)では、VLDLの異化促進の寄与が大きく、LDL-Cが増加することが報告されています1,2)。
パルモディア錠の治験時併合解析のデータとして、0.2mg、0.4mg/日群において、LDL-Cは増加したが、粒子サイズの大きなLDLのコレステロール含量は増加し、小さなLDL(動脈硬化惹起性のLDL)のコレステロール含量は減少した(12週時LOCF)という結果が示されています1,2,3,4)。
フィブラート系薬剤は、脂肪酸のβ酸化促進等によるVLDLの産生低下作用と、リポ蛋白リパーゼの活性亢進等によるVLDLからLDLへの異化促進作用(small dense LDLが減り、LDLを大型化する)を有することが知られており、これらはいずれもPPARα活性化に基づくクラスエフェクトと考えられています。また、LDL-Cに対する効果は、投与される患者の脂質フェノタイプによって異なることが知られています。つまり、LDLの相対的な割合の高いフェノタイプ(IIa型およびIIb型)では、VLDLの異化促進よりもVLDL産生低下の寄与が大きく、LDL-Cが低下する一方、VLDLの相対的な割合の高いフェノタイプ(Ⅳ型及びV型)では、VLDLの異化促進の寄与が大きく、LDL-Cが増加することが報告されています1,2)。
パルモディア錠の治験時併合解析のデータとして、0.2mg、0.4mg/日群において、LDL-Cは増加したが、粒子サイズの大きなLDLのコレステロール含量は増加し、小さなLDL(動脈硬化惹起性のLDL)のコレステロール含量は減少した(12週時LOCF)という結果が示されています1,2,3,4)。
参考資料
1)パルモディア錠 総合製品情報概要
2)山川正、 笠松絵理奈、 根津潤、 原田幸奈、 神山博史、Progress in Medicine(Prog Med)/30(2)/541-547/2010
3)Fruchart JC、Atherosclerosis. 2009 Jul;205(1):1-8
4)パルモディア錠 インタビューフォーム 2023年11月改訂(第14版) Ⅴ.治療に関する項目 5.臨床成績 (7)その他 国内8試験の併合解析
作成年月
2024年7月