電子添文の相互作用の項では、フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)、ニコチン酸、陰イオン交換樹脂(コレスチミド、コレスチラミン等)、エリスロマイシン、リファンピシン、及びクマリン系抗凝固剤(ワルファリン等)が併用注意に設定されています1)。
ピタバスタチンとフィブラート系薬剤、ニコチン酸及びエリスロマイシンを併用する場合には、筋肉痛、脱力感等の自覚症状や、CK(CPK)、血中及び尿中ミオグロビン、血清クレアチニン上昇等に注意してください。腎機能の異常を認めた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行ってください1)。
〇フィブラート系薬剤
腎機能に関する臨床検査値(血清クレアチニンやeGFRを目安)に異常が認められる患者では、治療上やむを得ないと判断される場合にのみリバゼブ配合錠とフィブラート系薬剤を併用してください1)。
ピタバスタチンとの薬物相互作用:外 国人健康成人24例に1日1回ピタバスタチンカルシウムとして4mgを6日間反復経口投与し、8日目からフェノフィブラート又はゲムフィブロジルを7日間併用投与したとき、ピタバスタチンの血漿中濃度(AUC)はフェノフィブラートで1.2倍、ゲムフィブロジルで1.4倍に上昇しました2)。
エゼチミブとの薬物相互作用:外国人成人8例(LDL-コレステロール値≧130mg/dL)にフェノフィブラート200mg(1日1回)とエゼチミブ10mg(1日1回)を14日間併用投与したとき、血漿中総エゼチミブ(非抱合体+グルクロン酸抱合体)濃度のCmax及びAUCがそれぞれ約64%及び48%上昇しましたが、臨床上意味のあるものではありませんでした。フェノフィブラートの薬物動態に及ぼすエゼチミブの影響は認められませんでした3)。
〇陰イオン交換樹脂
コレスチラミンは非吸収性の陰イオン交換樹脂であり、胆汁酸を吸着して糞中への排泄を促進することによりコレステロールを低下させます。したがって、併用した薬剤を吸着することにより併用薬の吸収を遅延させ、減少させることが知られています。ピタバスタチンは動物実験(ラット、イヌ)において腸肝循環をすることが知られており、リバゼブ配合錠とコレスチラミンを併用した場合、ピタバスタチンが吸着され、リバゼブ配合錠の血中濃度が低下する可能性があります。リバゼブ配合錠は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与してください1)。
エゼチミブとの薬物相互作用:外国人成人8例(LDL-コレステロール値≧130mg/dL)にコレスチラミン4g(1日2回)とエゼチミブ10mg(1日1回)を14日間併用投与したとき、血漿中総エゼチミブ(非抱合体+グルクロン酸抱合体)濃度のAUCが低下しました。エゼチミブ単独投与と比較したコレスチラミン併用投与時の相対的バイオアベイラビリティは45%でした4)。
〇エリスロマイシン
ピタバスタチンとの薬物相互作用:外国人健康成人18例に1日4回エリスロマイシン500mgを6日間反復経口投与し、4日目の朝にピタバスタチンとして4mgを併用投与したとき、単独投与と比しピタバスタチンの血漿中濃度はCmaxで3.6倍、AUCで2.8倍に上昇しました5)。
〇リファンピシン
ピタバスタチンとの薬物相互作用:外国人健康成人18例に1日1回リファンピシン600mgを15日間反復経口投与し、11~15日目に1日1回ピタバスタチンとして4mgを併用投与したとき、単独投与と比しピタバスタチンの血漿中濃度はCmaxで2.0倍、AUCで1.3倍に上昇しました6)。
〇クマリン系抗凝固剤
エゼチミブとの併用によりプロトロンビン時間国際標準比(INR)の上昇がみられたとの報告があります。併用する場合には適宜INR検査を行ってください1)。
なお、海外臨床試験(薬物相互作用試験)では、エゼチミブ10mg(1日1回)を反復投与中の健康成人男性12例に、ワルファリンナトリウム錠25mgを単回投与したとき、ワルファリンのバイオアベイラビリティ及びプロトロンビン時間に明らかな影響は認められていません7)。
詳細はインタビューフォームをご参照ください。
参考資料
1)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD インタビューフォーム 2024年8月改訂(第6版) Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用 (2)併用注意とその理由
2)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.7 薬物相互作用 16.7.1 ピタバスタチン (4)フィブラート系薬剤
3)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.7 薬物相互作用 16.7.2 エゼチミブ (3)フェノフィブラートとの相互作用
4)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.7 薬物相互作用 16.7.2 エゼチミブ (2)コレスチラミンによる影響
5)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.7 薬物相互作用 16.7.1 ピタバスタチン (2)エリスロマイシン
6)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.7 薬物相互作用 16.7.1 ピタバスタチン (3)リファンピシン
7)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD インタビューフォーム 2024年8月改訂(第6版) Ⅶ.薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移 (4)食事・併用薬の影響 3)エゼチミブと他の薬剤との薬物相互作用 ⑤その他の薬物動態学的相互作用
作成年月
2024年9月