上記に該当する患者を除く肝障害のある患者(AST、ALT等の肝機能検査値で異常値が認められている患者)に投与する場合には、最大投与量をピタバスタチンカルシウムとして1日2mgまでとしてください3)。肝障害又はその既往歴のある患者では観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行ってください4)。
■肝機能障害患者における薬物動態
〇ピタバスタチン
外国人肝硬変患者12例と外国人健康成人6例にピタバスタチンカルシウムとして2mgを単回経口投与したとき、血漿中濃度は健康成人に比しChild-Pugh grade Aの患者ではCmaxで1.3倍、AUCで1.6倍、Child-Pugh grade Bの患者ではCmaxで2.7倍、AUCで3.9倍を示しました5)。
脂肪肝を有する成人男性軽度肝機能障害患者(ALT:69.2±18.7IU/L)6例及び成人男性肝機能正常者(ALT:16.0±4.3IU/L)6例にピタバスタチンカルシウム2mgを1日1回7日間、朝食後経口投与したとき、投与7日目のAUC0-24hは、肝機能障害患者群は肝機能正常者群の1.17倍(体重調整後)(90%信頼区間:0.81~1.69)であったことから、軽度肝機能障害患者の血漿中濃度は肝機能正常者と比較して上昇する可能性は少ないと考えられました6)。
〇エゼチミブ
軽度、中等度又は重度の外国人慢性肝機能障害患者各4例と外国人健康成人8例にエゼチミブ10mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較して中等度及び重度の肝機能障害患者においては、血漿中エゼチミブ(非抱合体)濃度のAUCは4.8~5.8倍高値であり、血漿中エゼチミブ(グルクロン酸抱合体)濃度のAUCは肝機能障害の重症度に応じて1.7~4倍高値でした5)。
<参考>
検証試験及び長期試験において肝障害のある患者*では副作用発現はありませんでした。
*肝障害のある患者は薬剤に関連する肝障害を合併する被験者になります。薬剤に関連する肝障害は、SMQ「薬剤に関連する肝障害-包括的検索[ただし、良性肝新生物(嚢胞およびポリープを含む)及び悪性および詳細不明の肝新生物を除く]」で検索しています。
参考資料
1)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと) 2.2
2)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者
3)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 7. 用法及び用量に関連する注意 7.4
4)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD インタビューフォーム 2024年8月改訂(第6版) Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (3)肝機能障害患者
5)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD 電子添文 2023年7 月改訂(第3版) 16.6.2 肝機能障害患者
6)リバゼブ配合錠LD/リバゼブ配合錠HD インタビューフォーム 2024年8月改訂(第6版) Ⅶ.薬物動態に関する項目 10.特定の背景を有する患者 ③肝機能障害患者における薬物動態
作成年月
2024年9月