イソバイド:メニエール病に対する臨床試験
対象
厚生省メニエール病調査研究班の診断基準にてメニエール病確実例もしくは疑い例と診断された患者57例/13施設
方法
イソバイド50〜140mLを1日2〜3回に分けて4〜449日間投与し、主治医が表1の自覚及び他覚所見を検討して総合改善度を判定した。さらに総合改善度と副作用を勘案して有用度を判定した。
表1 観察・検査項目
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- 自覚所見
- めまい、蝸牛症状(難聴、耳鳴、耳閉感、音過敏性)、随伴症状(悪心・嘔吐、頭痛、肩こり)
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- 他覚所見
- 平衡機能、蝸電図、聴力検査
- 一般臨床検査
- 副作用
結果
総合改善度
イソバイド投与前後での観察・検査項目の重篤度の推移より判定した自覚及び他覚所見に対する全般改善度を総合的に勘案して総合改善度を5段階法で判定した結果、「中等度改善」以上が47.4%、「軽度改善」以上が75.4%であった。
副作用
57例中4例(7.0%)に6件の副作用が認められた。その内訳は不眠2件、胃重感、味覚低下、嘔気、頭痛が各1件であった。
有用度
総合改善度と副作用を勘案して5段階で有用度を判定した結果、「有用」以上が52.6%、「やや有用」以上が77.2%であった。
北原 正章他:薬理と治療 14:1055.1986(一部改変)
本剤の用法・用量(一部抜粋)
メニエール病の場合には、1日体重当り1.5〜2.0mL/kgを標準用量とし、通常成人1日量90〜120mLを毎食後3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する。